N4 · 単元 11
第41課影響を受ける人・物を文頭に置く
受身形を使い、影響を受ける側の視点から客観的な事実と個人的な影響を説明できる。
この課で学ぶこと
受身形を使い、影響を受ける側の視点から客観的な事実と個人的な影響を説明できる。
学習ポイント
- 直接受身
- 影響を受ける人の受身
- 客観的な受身文
今この課を学ぶ理由
前の課までに言える内容を、新しい表現へつなげます。重点文を聞き、形を理解し、実際の場面で使います。
次の一歩
重点文を聞き、文型を理解し、例文と語彙の練習を終えてから次の課へ進みます。
インタラクティブ課を開く基本文型
名詞は 人に 動詞受身形 ・ 人は 人に 所有物を 動詞受身形 ・ 人は 人 / 雨に 動詞受身形 ・ 物は 動詞受身形 ・ 物は 人によって 動詞受身形初学者向け説明
受身形は、動作や影響を受ける人・物を文頭に置きます。直接受身では動作をする人をにで示します。自分の身体や持ち物が影響を受けた時も、その人を話題にし、身体や物にはをを残します。日本語では、他人の行動や雨などから間接的に影響を受けた気持ちも受身で表せます。物を主語にする客観的な受身では動作主を省くことが多く、特定の作者・発明者を明示する時はによってを使います。
まず理解する重点文
- 私は 先生に ほめられました。watashi wa sensei ni homeraremashita
私は先生にほめられました。
- 私は 電車で 足を 踏まれました。watashi wa densha de ashi o fumaremashita
私は電車で足を踏まれました。
- 旅行中、雨に 降られました。ryokōchū, ame ni furaremashita
旅行中、雨に降られました。
- この 建物は 有名な 建築家によって 設計されました。kono tatemono wa yūmei na kenchikuka ni yotte sekkei saremashita
この建物は有名な建築家によって設計されました。
この課の基本語彙
- ほめますほめますほめる・評価する
- しかりますしかりますしかる・注意する
- かみますかみますかむ
- 踏みますふみます足で踏む
- 設計しますせっけいします設計する
- 建てますたてます建物を建てる
- 建築家けんちくか建築家
- 被害ひがい損害・受けた影響
文法を一つずつ理解
受身形は三つの動詞グループごとに作る
Vない词干 + れる/られる一類動詞はない形のないをれるに替えます。二類動詞はるをられるに替えます。来るは来られる、するはされるです。できた受身動詞は二類動詞と同じように活用します。
例文
- ほめる → ほめられるほめる → ほめられる
- 書く → 書かれる書く → 書かれる
- する → されるする → される
直接受身では影響を受ける人が話題、動作主はに
A は B に V(ら)れる能動文の「部長が李さんをほめた」は、「李さんは部長にほめられた」にできます。受身文そのものは不快を表すとは限らず、ほめる・招待する・助けるなどにも使えます。
例文
- 李さんは 部長に ほめられました。李さんは部長にほめられました。
- 森さんは 小野さんに 食事に 誘われました。森さんは小野さんに食事に誘われました。
所有物受身では所有者が話題、身体・物はをを保つ
A は B に Nを V(ら)れる日本語では「私は足を踏まれた」「私はカメラを壊された」のように言い、足やカメラだけを主語にしないことがよくあります。所有者が受けた影響を前に出す形です。
例文
- 馬さんは 森さんに カメラを 壊されました。馬さんは森さんにカメラを壊されました。
- 私は 電車で 知らない人に 足を 踏まれました。私は電車で知らない人に足を踏まれました。
間接受身は他人や自然現象の動作による影響を表す
A は B に V(ら)れる「小鳥が逃げた」「隣の人がたばこを吸った」のように独立する出来事を、影響を受けた人を話題にして受身文にできます。困り、不便、予想外の影響を表すことが多く、自然現象には雨に降られるなどがあります。
例文
- 陳さんは 飼っていた小鳥に 逃げられました。陳さんは飼っていた小鳥に逃げられました。
- 食事中、隣の人に たばこを 吸われました。食事中、隣の人にたばこを吸われました。
- 私たちは 雨に 降られました。私たちは雨に降られました。
動作主を示さない出来事の受身では、行われた事物を主語にする
N が/は V(ら)れる動作をした人が重要でない、分からない、または文脈から明らかな時は省略できます。ニュース・歴史・説明文によく出ますが、重要な出典まで受身形で隠してはいけません。
例文
- 会議は 来週 開かれます。会議は来週開かれます。
- 駅前に 新しいビルが 建てられました。駅前に新しいビルが建てられました。
- 新しい遺跡が 発見されました。新しい遺跡が発見されました。
事物の受身で作者・発見者・機関を明示する時はによって
N は A によって V(ら)れるによっては責任を帰属できる実施主体を示し、発明・設計・創作・調査・公表によく使います。普通の日常動作の動作主には通常にを使います。
例文
- この建物は 有名な建築家によって 設計されました。この建物は有名な建築家によって設計されました。
- 調査結果は 統計局によって 公表されました。調査結果は統計局によって公表されました。
受身が不利かどうかは形ではなく文脈で決まる
V(ら)れるほめられる・招待されるは普通、好意的または中立です。盗まれる・叱られる・雨に降られるは不利になりやすいです。訳す前に出来事と話し手の立場を確認します。
例文
- 先生に ほめられて、うれしかったです。先生にほめられて、うれしかったです。
- 財布を 盗まれて、困りました。財布を盗まれて、困りました。
表現と使用場面
数量+ともはその人数・日数などがすべてという意味
二日ともは二日すべて、三人ともは三人すべてです。十未満ほどの小さい数によく使い、大きな集団には全員・全部を使うことが多いです。
- 2日とも 雨でした。2日とも雨でした。
- 社員は 3人いますが、3人とも 外出中です。社員は3人いますが、3人とも外出中です。
いやあは驚き・感嘆・照れ・語気の緩和を表し、性別で固定しない
古い説明では男性語とされることがありますが、現代の使い方は人物像・年齢・イントネーション・場面で変わります。初学者はまず聞いて理解し、無理に自分の話し方へ入れなくてかまいません。
- いやあ、参りました。いやあ、参りました。
- いやあ、久しぶりですね。いやあ、久しぶりですね。
参りましたは自分を低めた「来た/行った」と、困った・負けたの慣用表現
意味は前後関係で決まります。出発地や目的地と一緒なら行く・来るの謙譲語であることが多く、渋滞・大雨・難題などと一緒なら困り切った気持ちを表すことが多いです。
- 北京から 参りました。北京から参りました。
- 渋滞に 巻き込まれて、参りました。渋滞に巻き込まれて、参りました。
巻き込まれるは事件・事故・争いに意図せず入って影響を受ける
能動形の巻き込むは他人を中へ引き入れ、受身形は本人が望まず関与したことを前に出します。報告では事件と具体的な影響を書き、劇的な語だけで事実を置き換えません。
- 飛行機は 嵐に 巻き込まれました。飛行機は嵐に巻き込まれました。
- 汚職事件に 巻き込まれたそうです。汚職事件に巻き込まれたそうです。
正式な文章は漢語を使うことが多いが、漢字の多さより明確さを優先
報告では、おととし・たくさん・安い値段を一昨年・大量に・低価格とすることがあります。ただし漢字が多ければよいのではなく、明確さ、正確さ、読者の必要に合わせます。
- 一昨年から 大量に 生産されています。一昨年から大量に生産されています。
報告では普通形・である体・名詞化・受身を使うが、文体と出典をそろえる
一つの文章では文体を統一します。受身は結果を前に出せますが、調査主体・方法・出典を補い、動作主のない文だけで権威があるように見せてはいけません。個人宛ての手紙はです・ます体でもかまいません。
- 調査は 4月に 実施された。調査は4月に実施された。
- 回答者は 500人である。回答者は500人である。
外来語と和製英語は日本語での意味を学び、英語へそのまま戻さない
コストダウンは費用削減、ネーミングは命名です。ガソリンスタンドやジェットコースターも英語では普通同じ形を使いません。国際的な読者向けには意味から訳し直します。
- 生産工程を 見直して、コストダウンを 図ります。生産工程を見直して、コストダウンを図ります。
調査結果には目的・対象・期間・方法・標本・限界が必要
「最も人気」「市場は成長する」と書くだけでは証拠になりません。標本調査には標本誤差があり、対象範囲・測定・無回答・処理による非標本誤差もあり得ます。
- 調査対象と 回答数を 明記します。調査対象と回答数を明記します。
- 推定と 確認済みの 事実を 分けます。推定と確認済みの事実を分けます。
上海万博は2010年に終了した歴史上の出来事
博覧会国際事務局の記録では、開催期間は2010年5月1日から10月31日、テーマは「より良い都市、より良い生活」です。現在は未来の予定ではなく、過去形で説明します。
- 上海万博は 2010年に 開かれました。上海万博は2010年に開かれました。
学習後にできること
- 代表的な16動詞を受身形にし、肯定・否定・過去へ変える。
- 能動文を直接受身に直し、影響を受ける人・動作主・対象を正しい位置に置く。
- 所有物受身、間接受身、普通の直接受身を区別する。
- ニュース・説明文で動作主を省くか判断し、帰属を示す必要があればによってを使う。
- 三つの話し言葉の文章を、受身で情報を隠さず、一貫した明確な正式文に直す。
- オリジナル市場調査要約で、目的・母集団・標本・期間・方法・結果・誤差・プライバシー・出典を明記する。
文化と実際の使い方
調査報告は広告ではない:受身が客観的に響くほど出典を明確にする
受身文は「調査が実施された」「結果が公表された」「商品が開発された」を前に出せますが、客観的な響きだけでは証拠が十分とはいえません。総務省統計局は、調査の概要に目的・範囲・対象・期間・方法・集計・公表を示すよう説明しています。標本調査には標本誤差があり、対象範囲・測定・無回答・データ処理による非標本誤差もあり得ます。ICC/ESOMARコードは、自発的参加、データ最小化、プライバシー保護、透明性、正確な公表も求めています。練習内の飲料ブランド、販売順位、低価格の理由、成長予測は報告書構造を学ぶための架空データで、実際の市場統計や商業上の結論として外部へ示せません。時間の範囲も更新します。博覧会国際事務局によれば、上海万博は2010年5月1日から10月31日まで開催されたため、現在は過去形で述べます。
- 調査方法と 回答数を 明記します。調査方法と回答数を明記します。
- 推定は、確認された 事実と 分けて 書きます。推定は確認された事実と分けて書きます。
- 上海万博は 2010年に 開かれました。上海万博は2010年に開催されました。