N4 · 単元 12
第48課自分側の行動を控えめに述べる
自分または自分側の行動を控えめに述べて相手への敬意を示し、丁寧語・尊敬語・謙譲語を区別できる。
この課で学ぶこと
自分または自分側の行動を控えめに述べて相手への敬意を示し、丁寧語・尊敬語・謙譲語を区別できる。
学習ポイント
- 謙譲語の動詞
- 謙譲表現の構文
- 三つの丁寧さの段階
今この課を学ぶ理由
前の課までに言える内容を、新しい表現へつなげます。重点文を聞き、形を理解し、実際の場面で使います。
次の一歩
重点文を聞き、文型を理解し、例文と語彙の練習を終えてから次の課へ進みます。
インタラクティブ課を開く基本文型
お + 動詞ます語幹 + します / ご + 漢語 + します ・ 伺います / 参ります / 拝見します / いたします / 申します / おります ・ 動詞て + いただけませんか ・ 動詞使役て + いただきます ・ ございます / Nで ございます初学者向け説明
謙譲語は、自分または自分側の行動を控えめに述べることで相手への敬意を示します。外部の人に話す時は、自分の家族や自社の上司も自分側に含まれます。一般的な形は「お〜します/ご〜します」で、「伺います・参ります・拝見します・いたします」などの特殊動詞もあります。相手に丁寧に依頼する時は「〜ていただけませんか」、許可を得て自分が行動することを改まって述べる時は「〜させていただきます」を使います。「ございます/でございます」は「あります/です」のより改まった形です。
まず理解する重点文
- お荷物は 私が お持ちします。onimotsu wa watashi ga omochi shimasu
お荷物は私がお持ちします。
- 明日、私が そちらへ 伺います。ashita, watashi ga sochira e ukagaimasu
明日、私がそちらへ伺います。
- 先生に 論文を 見て いただきました。sensei ni ronbun o mite itadakimashita
先生に論文を見ていただきました。
- もう 一度 説明させて いただきます。mō ichido setsumei sasete itadakimasu
もう一度説明させていただきます。
この課の基本語彙
- 伺いますうかがいます「行く/来る/尋ねる/聞く」の謙譲語I
- 参りますまいります「行く/来る」の謙譲語II・丁重語
- 拝見しますはいけんします「見る」の謙譲語I
- いたしますいたします「する」の謙譲語II・丁重語
- 申しますもうします「言う/名乗る」の謙譲語II・丁重語
- おりますおります「いる」の謙譲語II・丁重語
- いただきますいただきます相手から受け取る・相手にしてもらうことを控えめに述べる
- ございますございます「あります/です」の改まった形
文法を一つずつ理解
謙譲語は単なる自己否定ではない:謙譲語IとIIを区別する
謙譲語I/謙譲語II(丁重語)謙譲語Iは、自分側から相手へ向かう行動を控えめに述べ、その行動の向かう先を高めます。例は「伺う・拝見する」です。謙譲語IIは「参る・申す」のように、自分側の行動を聞き手に対して丁重に述べます。どちらも自分の人格や価値を否定するものではありません。
例文
- 明日、先生の 研究室へ 伺います。明日、先生の研究室へ伺います。
- 北京から 参りました。北京から参りました。
- 李と 申します。李と申します。
一般的な謙譲表現:お/ご〜します
お + Vます語幹 + します | ご + 漢語名詞 + します「お」は和語動詞の語幹に、「ご」は漢語系の三類動詞の名詞部分によく付きます。一拍だけの語幹や「来る」「する」そのものには機械的に付けません。この構文は通常、尊重する相手へ向かう行動に使い、自分だけで完結する全ての行動を謙譲語にする必要はありません。
例文
- お荷物は 私が お持ちします。お荷物は私がお持ちします。
- 昨日、メールを お送りしました。昨日、メールをお送りしました。
- 明日の 午後、ご連絡します。明日の午後、ご連絡します。
特殊な謙譲語は語全体で覚える
見る→拝見する 等「見る」「食べる/飲む」「行く/来る」「聞く/訪ねる」「する」「言う」「あげる」「もらう」「知る」などには、よく使う特殊な謙譲語があります。まず行動が自分側から相手へ向かうかを確認し、次に謙譲語Iか丁重な叙述かを選びます。
例文
- 案内状を 拝見しました。案内状を拝見しました。
- コピーは 私が いたします。コピーは私がいたします。
- 黄教授に 見ていただきました。黄教授に見ていただきました。
相手への丁寧な依頼:〜ていただけますか/いただけませんか
Vて + いただけますか/いただけませんか『相手に〜してもらえるか』という形で依頼します。「いただけませんか」は通常より婉曲ですが、実際に選べるかどうかは、場面、理由、断れる余地によって決まります。丁寧な文法を使っても、不合理な依頼が適切になるわけではありません。
例文
- 取り替えて いただけますか。取り替えていただけますか。
- 教えて いただけませんか。教えていただけませんか。
- 難しければ、お知らせください。難しければ、お知らせください。
許可を得て行動し、恩恵を受ける:〜(さ)せていただく
V(さ)せて + いただく文化庁は、この形の基本条件を二つ示しています。自分側が相手または第三者の許可を受けて行動すること、そしてその行動から恩恵を受けることです。許可も恩恵も必要ない場面で繰り返すと回りくどくなるため、「発表します」「ご連絡します」のように直接述べます。
例文
- 会議室を 使わせていただきます。会議室を使わせていただきます。
- 来週、休ませていただけませんか。来週、休ませていただけませんか。
- では、結果を 発表します。では、結果を発表します。
改まった存在と判断:ございます/でございます
あります→ございます | です→でございます「ございます」は「あります」の改まった言い方で、「でございます」は「です」に対応します。接客電話や正式な紹介でよく使いますが、日常会話で多用すると硬く聞こえます。場所を案内する時は、敬語だけでなく方向の内容自体も正確にします。
例文
- はい、在庫は ございます。はい、在庫はございます。
- JC企画で ございます。JC企画でございます。
- おつりで ございます。おつりでございます。
自分側の存在・状態を丁重に述べる:おります/〜ております
います→おります | ~ています→~ております「おります/〜ております」は謙譲語II・丁重語で、特定の行動の向かう先がなくても、聞き手に対して自分側の存在や状態を丁重に述べます。社外へ自社の人の状態を説明する時によく使います。相手を高める表現には使いません。
例文
- 午後は 社に おります。午後は社におります。
- いつも お世話に なっております。いつもお世話になっております。
- 田中は 外出しております。田中は外出しております。
表現と使用場面
名詞や形容詞も敬語の場面で変わるが、お/ごは機械的な接頭辞ではない
よく使う形には「お食事・お荷物・お手紙・お忙しい・ご利用・ご家族・お元気」があります。語ごとの慣用、文体、相手側の物事かどうかで選びます。漢語なら全て「ご」、和語なら全て「お」を付けるという規則ではありません。
- 明日は お忙しいでしょうか。明日はお忙しいでしょうか。
- ご両親は お元気ですか。ご両親はお元気ですか。
私・私ども・弊社・者は丁重な自称であり、人格を低くする語ではない
「私ども」は自分側、「弊社」は社外に対する自社、「社の者」は自社の人を表します。相手の会社には通常「御社/貴社」を使い、「弊社」とは言いません。
- こちらは 私どもの 製品です。こちらは私どもの製品です。
- 社の 者が お送りします。社の者がお送りします。
「明日」と「昨日」は場面の丁寧さに応じて読み方を選ぶ
「明日」は「あした・あす・みょうにち」と読め、一般に後ほど改まった響きになります。「昨日」は「きのう・さくじつ」と読めます。基本の意味が別なのではなく、場面と文体で読み分けます。
- 明日、伺います。明日、伺います。
- 昨日、拝見しました。昨日、拝見しました。
「何のお構いもしませんで」は主人側の控えめな挨拶で、事実の認定ではない
客を見送る時や感謝に答える時に、『十分なおもてなしができませんでした』という控えめな気持ちを表します。「何のお構いもできませんで」とも言えます。現代の会話では「こちらこそ、ありがとうございました」も自然で、客が何度も否定する必要はありません。
- 何のお構いも できませんで。何のお構いもできませんで。
- こちらこそ、ありがとうございました。こちらこそ、ありがとうございました。
「右も左も分からない」は全く不慣れであることを表す慣用的な比喩
左右を文字どおり区別できないのではなく、新しい場所や仕事について何も分からないことを表します。正式な自己紹介では、必要以上に自分を低くせず、『手順と担当を学んでいるところです』のように具体的に言えます。
- まだ 業務の 流れを 学んでいる ところです。まだ業務の流れを学んでいるところです。
「申し訳ございません」は改まった謝罪だが、事実と対応も説明する
謝罪だけでは、原因、影響、次の対応、時期の説明になりません。過失がない時や軽い礼儀だけが必要な時に、謝罪の強さを際限なく高める必要もありません。
- 申し訳ございません。確認して 本日中に ご連絡します。申し訳ございません。確認して本日中にご連絡します。
年賀状は現在もあり、かもめ〜るは発行を終了している
日本郵便は、年賀状の受付期間と元日に届けるための推奨投函日を毎年公表するため、12月25日を永久の規則にはできません。「かもめ〜る」は2021年度から発行されていませんが、暑中見舞い・残暑見舞いは普通はがき、絵入りはがき、デジタルなど別の方法で送れます。
- 年賀状の 受付期間を 確認します。年賀状の受付期間を確認します。
- かもめ~るは 現在 発行されていません。かもめ〜るは現在発行されていません。
丁寧な依頼には理由と断れる余地を添える
「〜ていただけませんか」は肯定形より婉曲ですが、相手が断れなければ圧力になることがあります。「難しければ別の方法にします」のように代案を添えて、選べる余地を明確にします。
- 難しければ、別の 方法に します。難しければ、別の方法にします。
学習後にできること
- 十二の謙譲表現を謙譲語IとIIに分け、行動の向かう先を高めるのか、聞き手に丁重に述べるのかを説明する。
- 業務連絡を「お/ご〜します」と特殊謙譲語で書き換え、不要な機械的敬語を取り除く。
- 依頼に理由・期限・断れる余地を加え、「いただけますか/いただけませんか」を比べる。
- 十の「〜させていただく」が許可と恩恵の両方を満たすかを判断し、満たさない文は簡潔な動詞に直す。
- ございます・でございます・おります・いらっしゃいますを区別し、内外関係に応じた文を作る。
- 現在の季節挨拶ガイドを作る。2027年用年賀の日程、暑中・残暑の期間を確認し、かもめ〜るが過去の商品であることを示す。
文化と実際の使い方
敬語の最終課:許可・恩恵・現在の状況を明確にする
文化庁は、「〜させていただく」の基本条件を、自分側が他者の許可を受けて行動し、その行動から恩恵を受けることと説明しています。条件を満たさないのに繰り返すと回りくどくなります。謙譲語も自分を否定するものではなく、行動の向かう先と聞き手との関係に応じて表現を組み立てます。季節の挨拶状では、伝統と現在の制度を分けます。日本郵便は2026年8月31日、2027年用年賀はがきを2026年11月2日から発売し、年賀郵便の引受を12月20日に開始し、元日配達の差出目安を12月27日とすると発表しました。これは2027年用の日程で、次の年は再確認が必要です。暑中見舞いは通常、小暑から立秋前までに届くよう送り、立秋後は残暑見舞いに替えます。「かもめ〜る」は2021年度から発行されていません。本課は伝統的な名称を残しつつ、過去の商品、年度ごとの日程、現在利用できる方法を区別します。
- 許可と 恩恵が あるか、確認します。許可と恩恵があるか、確認します。
- 必要が なければ、簡潔に 言います。必要がなければ、簡潔に言います。
- 郵便の 日程は 毎年 確認します。郵便の日程は毎年確認します。