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N4 · 単元 12

第47課

他者の行動を敬意を込めて述べる

客、目上の人、または敬意を示す相手の行動に尊敬語を使える。

01

この課で学ぶこと

客、目上の人、または敬意を示す相手の行動に尊敬語を使える。

学習ポイント

  • 尊敬語の動詞
  • 尊敬表現の構文
  • 人間関係と場面
02

今この課を学ぶ理由

前の課までに言える内容を、新しい表現へつなげます。重点文を聞き、形を理解し、実際の場面で使います。

01

基本文型

動詞受身形(尊他) ・ お + 動詞ます語幹 + に なります ・ お / ご + 動詞ます語幹 / 漢語 + ください ・ ご覧に なります / 召し上がります / いらっしゃいます / おっしゃいます / なさいます / くださいます

初学者向け説明

尊敬語は、聞き手または話題にしている人の行動を高めて敬意を示します。主に目上の人、客、関係が遠い人に使います。外部の人に自分の家族や自社の人について話す時は、通常、自分側を高めません。比較的軽い尊敬には受身形を使え、より明確な尊敬表現には「お〜になります」や特殊な尊敬語を使います。相手自身や公共のためになる行動を促す時は「お/ご〜ください」が使えます。

02

まず理解する重点文

  • 先生は 明日 京都へ 行かれます。sensei wa ashita Kyōto e ikaremasu

    先生は明日京都へ行かれます。

  • お客様は もう お帰りに なりました。okyakusama wa mō okaeri ni narimashita

    お客様はもうお帰りになりました。

  • こちらに お名前を お書き ください。kochira ni onamae o okaki kudasai

    こちらにお名前をお書きください。

  • 社長は 何を 召し上がりますか。shachō wa nani o meshiagarimasu ka

    社長は何を召し上がりますか。

03

この課の基本語彙

  • ご覧に なりますごらんに なります「見る」の尊敬語
  • 召し上がりますめしあがります「食べる/飲む」の尊敬語
  • いらっしゃいますいらっしゃいます「行く/来る/いる」の尊敬語
  • おっしゃいますおっしゃいます「言う」の尊敬語
  • なさいますなさいます「する」の尊敬語
  • くださいますくださいます「くれる」の尊敬語・自分側のためにしてくれる
  • お客様おきゃくさま客を敬って呼ぶ言い方
  • 先ほどさきほど少し前・つい先ほど
04

文法を一つずつ理解

敬語は三種類だけではない:現代の公的な五分類

尊敬語/謙譲語I/謙譲語II(丁重語)/丁寧語/美化語

教材では尊敬語・謙譲語・丁寧語の三分類から入ります。文化庁の『敬語の指針』は、現代の用法をより正確に捉えるため、尊敬語、謙譲語I、謙譲語II(丁重語)、丁寧語、美化語の五つに分けています。第47課では、相手や第三者の行動を高める尊敬語を中心に学びます。

例文

  • 先生が いらっしゃいます。先生がいらっしゃいます。
  • わたしが 伺います。わたしが伺います。
  • お料理です。お料理です。

尊敬の受身形:V(ら)れます

元の文構造を変えない + V(ら)れます

受身形は比較的軽い尊敬を表すこともあります。本当の受身文と違い、元の文の要素や助詞は組み替えません。受身や可能の意味と同じ形になることがあるため、正確さが必要な場面では特殊な尊敬語を使うか、文脈を補います。

例文

  • 周先生は 明日 日本へ 行かれます。周先生は明日日本へ行かれます。
  • 部長は 何時に 戻られますか。部長は何時に戻られますか。
  • 先生は 論文を 書かれました。先生は論文を書かれました。

一般的な尊敬表現:お+動詞語幹+になります

お + Vます語幹 + に なります

主に一類・二類動詞に使います。「ます」を取った後が一拍だけの「見・寝・い」などには通常使わず、三類動詞にも使いません。よく使われる特殊な尊敬語がある動詞では、その特殊形を優先します。

例文

  • お客様は お帰りに なりました。お客様はお帰りになりました。
  • 日程は お決めに なりましたか。日程はお決めになりましたか。
  • 社長は お読みに なりました。社長はお読みになりました。

尊敬を込めた依頼:お/ご〜ください

お + Vます語幹 + ください | ご + 漢語名詞 + ください

「お」は和語動詞の語幹に、「ご」は漢語系の三類動詞の名詞部分によく付きます。丁寧でも依頼・指示であることは変わりません。個人への依頼で命令的な響きを弱めたい時は「〜ていただけますか」が使えます。

例文

  • どうぞ お座りください。どうぞお座りください。
  • エスカレーターを ご利用ください。エスカレーターをご利用ください。
  • こちらから お入りください。こちらからお入りください。

よく使う特殊な尊敬語は語全体で覚える

見る→ご覧になる 等

「見る」「食べる/飲む」「行く/来る/いる」「する」「言う」「くれる」「知っている」には、よく使う特殊形があります。誰の行動か、誰が恩恵を受けるか、現在の内外関係はどうかを確認して選びます。

例文

  • 先生は 何を 召し上がりますか。先生は何を召し上がりますか。
  • 資料を ご覧に なりましたか。資料をご覧になりましたか。
  • 部長が そう おっしゃいました。部長がそうおっしゃいました。

テ形に続く尊敬語:〜ていらっしゃる/〜てくださる

Vて + いらっしゃる/くださる

「〜ていらっしゃる」は「〜ている」「〜ていく」「〜てくる」に対応できます。「〜てくださる」は「〜てくれる」の尊敬語で、通常、相手の行動が話し手側の助けになったことを表します。友人には使えないという絶対的な規則はなく、感謝、心理的距離、口調で自然さが変わります。

例文

  • 社長は 待っていらっしゃいます。社長は待っていらっしゃいます。
  • 先生は 明日 戻っていらっしゃいます。先生は明日戻っていらっしゃいます。
  • 友達が 迎えに 来てくださって、助かりました。友達が迎えに来てくださって、助かりました。

内と外の関係は場面によって変わる

人物関係 + 場面 + 聞き手

社外の人に自社の上司について話す時は、通常、自分側を高めません。社内で話す時は、その上司が尊敬語を使う相手になることがあります。家族、学校、顧客、取引先も、今の聞き手に応じて内と外の位置付けが変わります。

例文

  • 社外:田中は 外出しております。社外では『田中は外出しております』と言います。
  • 社内:田中部長は 会議室に いらっしゃいます。社内では『田中部長は会議室にいらっしゃいます』と言います。
05

表現と使用場面

敬語は法的権限や従う義務を証明しない

肩書や尊敬語は、話し手がある礼儀関係を選んだことを示すだけです。契約権限、承認権限、業務指示権、代表権は、登記、定款、職務文書、委任などで別に確認します。

  • 役職名と 契約権限を 別々に 確認します。役職名と契約権限を別々に確認します。

「あっ、そう」はくだけた表現で、上下関係だけで機械的に割り当てない

突然分かった時や短く応答する時に使えます。自然かどうかは関係、場面、口調で決まります。改まった場面では「そうですか」「承知しました」が使えます。

  • あっ、そう。じゃあ、後でね。あっ、そう。では、また後で。
  • 承知しました。承知しました。

「〜じゃないか」は強めだが、男性上司から部下だけの表現ではない

発見、強調、反問、親しい会話に使えます。下降調は断定や感嘆になりやすく、上昇調は確認や反問にもなります。性別や上下関係による絶対的な制限は実際の用法に合いません。仕事では必要に応じて「どうでしょうか」に替えます。

  • この案、いいじゃないか。この案、いいじゃないか。
  • こちらは どうでしょうか。こちらはどうでしょうか。

四つの特殊なマス形は語全体で覚える

「いらっしゃいます・なさいます・おっしゃいます・くださいます」と、「いらっしゃい・なさい・おっしゃい・ください」は、普通の五段動詞の規則だけで機械的に作れないため、まとまりで覚えます。

  • こちらへ いらっしゃい。こちらへいらっしゃい。
  • どうぞ お入りください。どうぞお入りください。

「知っています」の一般的な尊敬語は「ご存じです」

「ご存じですか」は相手が知っているかを尋ねます。謙譲語の「存じています」は、話し手側が知っていることを述べます。誰の知識を表すかを先に確認します。

  • この制度を ご存じですか。この制度をご存じですか。
  • はい、存じています。はい、存じています。

丁寧な依頼でも相手に圧力を感じさせることがある

「ご参加ください」は公共の案内では自然ですが、個人の任意事項では指示に聞こえることがあります。選択を残すなら「参加は任意です」「ご参加いただけますか」と言えます。敬語を使っても力関係が自動的になくなるわけではありません。

  • 参加は 任意です。参加は任意です。

「〜てくださる」は恩恵と感謝で選び、友人かどうかだけで決めない

友人が特別に助けてくれた時にも自然です。日常的で当然とされる行動を必要以上に高めると、かえって距離が大きく感じられることがあります。

  • 友達が 荷物を 運んでくださって、助かりました。友達が荷物を運んでくださって、助かりました。

会社の役職名と部門名は共通の組織図ではない

「社長・取締役・部長・課長・主任・チーフ・リーダー」は併存する会社も、使わない会社もあります。「支社・支店・営業所」も法的・事業上の関係が同じとは限りません。名称だけでは階層、雇用形態、権限は確定しません。

  • 組織図と 権限表を 確認します。組織図と権限表を確認します。

贈り物の前に希望・規程・安全を確認し、習慣を強制規則にしない

花、植物、酒、現金、共同購入の家電などは、相手によって適さないことがあります。アレルギー、飲酒の選択、置く場所、会社の贈答規程、金額、配送制限を確認します。新居祝いで発火に関係する品を避けるという話は慣習であり、普遍的な禁止ではありません。日本郵便の発火性危険物規制は配送上の安全規則です。

  • ご希望と 会社の 規定を 確認します。ご希望と会社の規程を確認します。
  • 配送条件を 確認します。配送条件を確認します。
06

学習後にできること

  1. 教材の三分類を文化庁の五分類に対応させ、第47課の尊敬語がどこに位置するかを説明する。
  2. 十個の普通文を尊敬の受身形、「お〜になる」、特殊尊敬語で書き換え、受身との曖昧さを示す。
  3. 「お/ご〜ください」で公共案内を書き、個人への依頼は命令の響きを弱めるか任意であることを明示する。
  4. 「〜ていらっしゃる」が対応する「ている・ていく・てくる」を区別し、「〜てくださる」が示す恩恵を説明する。
  5. 社内、顧客、家庭、学校の場面ごとに敬語を選び、その時の内外関係を説明する。
  6. 希望、規程、金額、健康、危険物、住所を確認し、任意参加で規程に合い、発送できる贈り物案を作る。
07

文化と実際の使い方

敬語は相互尊重を土台にし、贈り物は相手の希望と規則を境界にする

文化庁の『敬語の指針』は、相互尊重と話し手の自己表現を土台に、尊敬語・謙譲語I・謙譲語II・丁寧語・美化語の五分類を示しています。敬語は多ければよいわけではなく、肩書だけで全ての場面の形が決まるわけでもありません。顧客に自社の上司について話す時は会社が「内」になり、通常は自分側を高めませんが、社内では上司を尊敬語で述べることがあります。強い「じゃないか」や丁寧な「ご参加ください」を使っても、現実の力関係が消えるわけではありません。厚生労働省の指針では、職場での優越的な関係を背景とする言動、業務上必要かつ相当な範囲を超えること、就業環境が害されることの三要素を全て満たすかを個別事情と共に判断します。教材の贈り物欄は文化を考える入口になりますが、花、酒、現金、発火に関係する品、共同購入の家電が全員に同じように適する固定規則ではありません。相手の希望を先に尋ね、会社規程、金額、健康、配送条件を確認します。日本郵便が爆発性・発火性など危険性のある物をYu-Packで扱わないのは輸送安全上の規則であり、象徴的な慣習とは別です。

  • 関係と 場面を 見て、敬語を 選びます。関係と場面を見て、敬語を選びます。
  • 敬語でも、参加が 任意か 明確にします。敬語でも、参加が任意か明確にします。
  • 贈る 前に、希望と 規定を 確認します。贈る前に、希望と規程を確認します。

出典

次の一歩

重点文を聞き、文型を理解し、例文と語彙の練習を終えてから次の課へ進みます。

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