Nihongo Hub

N4 · 単元 12

第45課

変化が続き、理由が一つではないことを述べる

過去から現在、現在から未来へ続く変化を説明し、複数の理由と比例して変わる結果を表せる。

01

この課で学ぶこと

過去から現在、現在から未来へ続く変化を説明し、複数の理由と比例して変わる結果を表せる。

学習ポイント

  • 続いている変化
  • 複数の理由
  • 比例して変わる関係
02

今この課を学ぶ理由

前の課までに言える内容を、新しい表現へつなげます。重点文を聞き、形を理解し、実際の場面で使います。

01

基本文型

動詞て + きました / いきます(変化) ・ 非意志動詞て + きました(出現) ・ 普通形 + し、普通形 + し ・ 動詞ば形 + 動詞基本形 + ほど / い形容詞ければ + い形容詞 + ほど

初学者向け説明

過去から現在まで続いてきた変化を今から振り返る時は「〜てきました」、現在から未来へ続く変化を述べる時は「〜ていきます」を使います。「〜てきました」は、雨や疲れなどの状態が現れ始めたことも表します。「〜し、〜し」は複数の理由や特徴を並べます。「〜ば〜ほど」は、一方の程度が高くなるにつれて、関係する結果も強く変わることを表します。

02

まず理解する重点文

  • 最近、外国からの 観光客が 増えて きました。saikin, gaikoku kara no kankōkyaku ga fuete kimashita

    最近、海外からの観光客が増えてきました。

  • これからも 日本語を 勉強して いきます。kore kara mo Nihongo o benkyō shite ikimasu

    これからも日本語の勉強を続けていきます。

  • 雨が 降って きました。ame ga futte kimashita

    雨が降り始めました。

  • この 本は 読めば 読むほど おもしろいです。kono hon wa yomeba yomu hodo omoshiroi desu

    この本は読めば読むほど面白くなります。

03

この課の基本語彙

  • 増えますふえます数や量が多くなる
  • 減りますへります数や量が少なくなる
  • 続きますつづきます同じ状態や動作が途切れずに続く
  • 進みますすすみます前へ動く・物事が進展する
  • 人口じんこうある地域に住む人の数
  • 品質ひんしつ品物やサービスの性質・出来
  • 交通こうつう人や物の移動・交通手段
  • 手軽てがる簡単で負担が少ないこと
04

文法を一つずつ理解

過去から現在まで発展してきた変化:Vてきました

Vて + きました

現在を基準にして過去を振り返り、動作が今まで続いたこと、または性質・数量・状態が現在の形まで少しずつ変化したことを表します。ここでの「きました」は空間的な移動ではなく、時間的な発展を示します。

例文

  • この町は 10年間で 大きく 変わってきました。この町は10年間で大きく変わってきました。
  • 日本語を 3年間 勉強してきました。日本語を3年間勉強してきました。
  • 利用者が 少しずつ 増えてきました。利用者が少しずつ増えてきました。

現在から今後へ進む変化:Vていきます

Vて + いきます

現在を出発点にして、動作が今後も続くこと、または状態がこれから少しずつ変わることを表します。未来の傾向では「これから・今後・だろう/でしょう」とよく使いますが、予測には情報源と前提が必要です。

例文

  • これからも 日本語を 勉強していきます。これからも日本語を勉強していきます。
  • 今後、人口構成は 変わっていくでしょう。今後、人口構成は変わっていくでしょう。
  • 使い捨ての 容器を 減らしていきます。使い捨て容器を減らしていきます。

今、状態が現れ始めたことを表す:Vてきました

非意志的な変化 Vて + きました

雨・空腹・疲れ・寒さなどの変化が現れ始め、今の状態に近づいたことを表します。通常は意志によらない変化に使います。本人が意図して続けた行動なら、前項の『今まで続けてきた』用法です。

例文

  • 雨が 降ってきました。雨が降ってきました。
  • おなかが すいてきました。おなかがすいてきました。
  • 少し 寒くなってきました。少し寒くなってきました。

複数の理由・特徴を並べる:〜し、〜し

普通形/礼貌形 + し

「し」は動詞・形容詞・名詞の判断をつなぎ、複数の理由や特徴を並べます。前の主語に「も」を付けると『これも、あれも』を強調できます。「〜し」だけで止めると、他にも理由があることをほのめかします。

例文

  • 駅も 近いし、家賃も 手頃だし、この部屋に します。駅も近いし、家賃も手頃なので、この部屋にします。
  • 今日は 休みだし、天気も いいし、散歩に 行きたいです。今日は休みですし、天気もいいので、散歩に行きたいです。
  • 時間も ないし、今日の 練習は ここまでです。時間もないので、今日の練習はここまでです。

〜すればするほど:一方が増すほど、もう一方も変わる

Vば V辞書形ほど/Aければ Aいほど/NAなら NAなほど

同じ動作や性質を二度示し、前の程度が上がるにつれて後ろの結果も関連する方向へ変わることを表します。相関関係を述べる形であり、自動的に因果関係を証明するものではありません。な形容詞は会話で「便利なら便利なほど」、改まった文では「便利であれば便利なほど」と言えます。

例文

  • 調べれば 調べるほど、条件の 違いが 分かります。調べれば調べるほど、条件の違いが分かります。
  • この道具は 使えば 使うほど、便利さが 分かります。この道具は使えば使うほど、便利さが分かります。
  • 説明は 短ければ 短いほど よいとは 限りません。説明は短ければ短いほどよいとは限りません。

助詞を含む句に「の」を付けて名詞を修飾する:で/へ/から/まで/と+の

N + で/へ/から/まで/と + の + N

場所・方向・起点・終点・共同相手を示す句に「の」を付け、後ろの名詞を修飾できます。例は「東京への便」です。「に」は直接「にの」にはできません。方向なら「への」に替えるか、意味を保つ完全な動詞修飾節を使います。

例文

  • 空港から 市内までの バス空港から市内までのバス
  • 東京への 便東京行きの便
  • 母との 相談母との相談
  • 母に 渡す プレゼント母に渡すプレゼント
05

表現と使用場面

「交通の便がいい」は交通が便利という意味で、どんな物にも「便がいい」を使えるわけではない

「便」を「べん」と読む時は便利さを表せます。固定表現「交通の便がいい/悪い」は交通条件を評価します。「ホテルや交通の便」は『ホテル』と『交通の便利さ』の並列で、「ホテルの便がいい」とは言いません。別の「便」を「びん」と読むと、航空便・運行便・郵便などを表します。

  • この地域は 交通の便が いいです。この地域は交通の便がいいです。
  • 大阪への 便は 1日に 6便あります。大阪行きは1日6便あります。

「ライトアップされています」は建物などが景観照明で照らされた状態を表す

「ライトアップする」は建物・木・記念物を景観目的で照らすことです。受身の継続形「ライトアップされています」は現在の照明状態を強調します。普通の室内灯が点いている時は「電気がついています」と言います。

  • 橋が ライトアップされています。橋がライトアップされています。
  • 部屋の 電気が ついています。部屋の電気がついています。

「以前」は単独で『前に』を表し、基準語の後ろでは『〜より前』を表す

副詞として「以前、ここに住んでいました」のように使えます。また「入社以前・結婚以前・入社する以前」のように基準を置けます。現代日本語で前の語による修飾が絶対に不可能なわけではありません。期間が曖昧なら「10年前」や具体的な日付を使います。

  • 以前、ここに 住んでいました。以前、ここに住んでいました。
  • 入社する 以前に、日本語を 勉強しました。入社する前に、日本語を勉強しました。

ここでの「なんか」は、くだけた『なんとなく・少し』

文脈によって、「なんか」は理由をはっきり説明できない感覚を表し、「なんか変です」のように使います。とても口語的なので、正式な報告では観察事実を書きます。「ゲームなんかしません」のように『〜など』を表す別の用法もあります。

  • この音、なんか 変ですね。この音、なんか変ですね。
  • 休日は 読書なんかを します。休日は読書などをします。

「似る」は現在の状態で「似ています」が多いが、それだけに限られない

現在の相似状態には「AはBに似ています」がよく使われますが、「似た形・全然似ていません・似れば似るほど」も使えます。比較対象には「に」を付け、形・用途・音のどこが似ているかを示すと明確です。

  • この二つは 形が 似ています。この二つは形が似ています。
  • 飛行機に 似た 形です。飛行機に似た形です。

「アクセス」は場所への行きやすさにも、デジタル資源への接続にも使う

交通では「駅からのアクセスがいい」、デジタルでは「サイトにアクセスする・インターネットへのアクセス」と言います。速度低下・中断・ログイン失敗は「通信速度が遅い・接続できない・ログインできない」と具体的に分けます。

  • 駅から 会場までの アクセスを 調べます。駅から会場までの行き方を調べます。
  • 現在、サイトに アクセスできません。現在、サイトにアクセスできません。

「軽く食べる」は少量食べること、「軽い食事」は胃への負担が小さい食事も表す

「何か軽く食べる」は普通、少し食べることです。「軽い物・軽い食事」は量が少ない、または油分などが少なく負担が小さい食事を表せます。反対に「胃に重い食事・重たい食事」も使えますが、すべての「軽い」を機械的に「重い」に替えるわけではありません。

  • 昼は 軽く 食べました。昼は軽く食べました。
  • 脂が 多くて、胃に 重い 食事でした。脂が多く、胃に重い食事でした。

「だんだん・どんどん・ますます・年々」は変化の進み方に応じて選ぶ

「だんだん」は徐々な変化、「どんどん」は次々と速く進む変化、「ますます」は程度のさらなる増加、「年々」は年ごとの変化です。人口・気温・売上などの事実には、地域・期間・単位・出典も示します。副詞だけでは傾向の証明になりません。

  • 利用者は 年々 増えています。利用者は年々増えています。
  • 空が だんだん 暗くなってきました。空がだんだん暗くなってきました。

環境語彙は日常語・科学用語・歴史的な呼び名を区別する

「地球温暖化」は長期的な気温上昇、「気候変動」はさらに広い変化を指します。「フロンガス」は複数のフッ素化合物をまとめる日常語です。「環境ホルモン」は歴史的に広まった通称で、現在の正式資料では「内分泌かく乱化学物質」が多く使われます。古い通称を単一の正確な物質名として扱いません。

  • 気候変動と 地球温暖化は、同じ 範囲の 言葉では ありません。気候変動と地球温暖化は、範囲が完全に同じ言葉ではありません。
  • 正式な 資料では、用語の 定義を 確認します。正式な資料では用語の定義を確認します。
06

学習後にできること

  1. 時間軸で「〜てきた」と「〜ていく」を区別し、それぞれ三文を書いて基準時点を示す。
  2. 今まで続いた変化と今現れ始めた状態の二つの「〜てきた」を分け、各動詞が意志的かどうかを説明する。
  3. 「〜し、〜し」で二つ以上の理由を並べ、「て形」でつないだ文と役割を比べる。
  4. 動詞・い形容詞・な形容詞から三種類の「〜ば〜ほど」文を作り、絶対的な因果関係を断定しない。
  5. 「での・への・からの・までの・との」で名詞を修飾し、「にの」を正しい形に直す。
  6. 人口または交通事業の資料を一つ読み、統計時点・実績値・推計値・事業状態・未確定事項を示す。
07

文化と実際の使い方

傾向を受け入れる前に基準時点と出典を確認する:人口減少もリニア計画も古い結論だけで判断しない

第45課では「少子化が進み、人口が減っていく」という継続的な変化を練習します。この方向には統計と推計の根拠がありますが、人口総数は出生だけでなく、死亡と国際人口移動にも左右されます。総務省統計局の2026年8月1日概算人口は1億2268万人です。国立社会保障・人口問題研究所の2023年全国推計は2020年人口を基準に、出生・死亡・国際人口移動の複数の仮定から2021〜2070年を計算した条件付き推計で、すでに起きた未来の事実ではありません。教材のリニア中央新幹線欄も古い計画説明です。工事は続いていますが、国土交通省が認可した品川・名古屋間の完了予定は「2027年以降」で、JR東海の2025年資料は2027年開業を実現できず、新しい開業時期を示せないとしています。そこで本課は速度・経路・効果を、認可済み計画、工事の現状、企業の期待に分けます。環境省は「環境ホルモン」を科学名称「内分泌かく乱化学物質」の通称と説明しているため、本課も単一の正確な物質名ではなく歴史的な通称として示します。

  • 統計の 時点と 対象を 確認します。統計の時点と対象を確認します。
  • 将来推計は、仮定によって 結果が 変わります。将来推計の結果は仮定によって変わります。
  • 工事は 進んでいますが、開業時期は 確定していません。工事は進んでいますが、開業時期は確定していません。

出典

次の一歩

重点文を聞き、文型を理解し、例文と語彙の練習を終えてから次の課へ進みます。

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